原稿料が入ると馬肉を買う約束を忘れて友達と飲んでしまう三文文士を描いた林芙美子『馬乃文章』、結婚の媒酌人を頼まれた「私」が大磯の別宅で式を執り行う獅子文六『ある結婚式』、10歳以上も年の離れた友人の下宿先に居候する私のアパートの前の道を毎晩若い女性が歌う軍国調の歌が聞こえてき、そのうち友人が次の日に歌う歌を予想しその女性に愛を感じ始め、次の日の歌を予想する友人に本当は外れていても私は嘘を吐き、その嘘を生きている友人を嘲笑する、愛を知らないエゴイストの哀しい私の一季節を描いた山川方夫『軍国歌謡集』の3篇を収録。百年文庫はそうとう本好きで本読みの人が作品を選んでいると想う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2011年12月4日
- 読了日 : 2011年12月4日
- 本棚登録日 : 2011年12月3日
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