血潮と脳漿の飛び散る描写が最低限に抑えられ
乾いた世界をいっそう際立たせる。
シュガーは、No Country For Old Menである血と暴力の国
として無慈悲にかわりゆき、乾きゆく
この世界を悪と闇を象徴しているシンボル。
出来心か、運命か拾ってしまった者と
追う者のいき詰まる追跡劇、果たして逃げ切れるのか
追い詰められるのか、第三勢力の登場で混沌とする物語
という、ありきたりな展開に対する期待は簡単に裏切られる。
かぎ括弧を使わない会話と
そぎ落とされた味気ないほどの短い文章の連続が
物悲しい湿り気を運んでくる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外-小説
- 感想投稿日 : 2011年1月24日
- 読了日 : 2011年5月16日
- 本棚登録日 : 2011年1月24日
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