ラプラスの魔女

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年5月15日発売)
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本棚登録 : 6896
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序盤に3つの不可解な死亡事故(事件?)が発生し、刑事、大学教授、映画関係者、そして神秘的な雰囲気の女性など、一見つながりがなさそうな人物たちが次々と登場する。そんな人々が徐々に近寄り、最終局面を迎える、という興味津々の展開だ。主人公は「魔女」だろうが、登場人物それぞれが主人公として語る章も設けられている。だからこそ超能力と科学との整合性や、人の先天的な「個性」、巨大権力に握りつぶされる「真実」が、より印象付けられるのだろう。

2015年発売の単行本。ほぼ10年前の景色だが、主人公たちの予知に関する記述には、どうしても昨今の「AI」が思い浮かんでしまう。人為的に手を施すという倫理観、当時の未来である現在が少しも明るくないことを思うと、著者自身未来を考えて執筆しているのでは?などと思えてくる。

さて、これから続編を読むことにしよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本作家は行
感想投稿日 : 2024年2月25日
読了日 : 2024年2月25日
本棚登録日 : 2024年2月25日

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