西洋音楽史: 「クラシック」の黄昏 (中公新書 1816)

著者 :
  • 中央公論新社 (2005年10月25日発売)
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感想 : 152

岡田暁生さんについては、里中満智子さんの『マンガ名作オペラシリーズ』の解説と、『すごいジャズには理由(ワケ)があるー音楽学者とジャズ・ピアニストの対話』を読んで、大変面白かったので、この西洋音楽の通史を読んでみました。
今回も、ほんっとに、めっちゃくちゃ、面白かったです!!

私は昔、月刊誌ふくめ、音楽関係の本を片っ端から読んだ時期がありました。
面白かったのかしら?覚えていない。
ただ、どんどん森の中に迷って、けっきょく崖から落ちてしまった感じなのです。

当時読んでいた本の執筆者は、音大教授とか演奏家とかピアノ教師とか。
それにたいして岡田暁生さんは、大阪大で博士号をとって神戸大助教授を経て現在京都大学の教授の文学博士。
面白い理由(ワケ)のひとつはそれだと思う。
「音楽を広い視野で見る」というところ。

もうひとつの理由は、私自身、高校の世界史は「勉強している皆の邪魔をしない」ことだけが評価されて単位はもらったものの、授業の内容まったく覚えていない。
試験を受けた記憶もない。(これ、ひどくない?)
でもここ数年西洋史や西洋美術史の本をたっくさん読んで初めて、いろいろなことを知ったから、この本の内容がすっごくよくわかりました。

岡田暁生さんの他の本も図書館に予約したし、もっともっといろんなクラシック音楽を聴いてみたいと思いました。
そして、「ドイツに行ってみなければ」と…「行きたい」じゃなくて「行かねば。他を犠牲にしても」みたいな。
なんか、ストイックな、変にまじめな。それ、ドイツ的!

あとがきにあった、「対象が何であれ『通史』というのは、40歳になる前か、60歳になった後でしか書けませんからね」という友人のことば。
つまり「怖いもの知らず」か「怖いものなし」かということです。
でもこの本を書かれた当時の岡田暁生さんは40代です。
友人のことばを否定していいです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆音楽☆
感想投稿日 : 2018年4月1日
読了日 : 2016年9月28日
本棚登録日 : 2016年9月28日

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