-
あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。 あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫)
- 汐見夏衛
- スターツ出版 / 2021年1月4日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
前作の終盤、涙を流しながら読み進め、半分魂が抜けたような状態になりながら、物語の余韻に浸ろうとした所で、後日談的な章に続いていた。
これを読んで正直、「へっ?そんな終わり方させんでも。余分じゃない?」って思った反面、何か救われた気になったのも確か。
本作はその続きの話で、舞台は現代。
視点は中学生男子なので、おっさん的には自分の中学時代を思い出しながら読むことができた。
巻末に前作の終わり方や本作に対する著者の想いが語られており、それを読んでハッとした。「あぁ、なるほど。著者はこんなにもこの子のことを愛していたのか」と。作品に対する思い入れとはまた違う、登場人物に対するわが子のような愛情。
さらっと読めるし、直球なのでわかりやすい。
中高生あたりの若者に読んでもらって、この時代、この国に生まれてきたことに感謝をしつつ、青春を謳歌して欲しいと思う。
2023年11月28日
-
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版文庫)
- 汐見夏衛
- スターツ出版 / 2016年7月28日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
いい作品だった。
読みながら考えていたのは、「子ども達に読んでもらうとどうなんだろう?」ということ。
恋愛寄りの本作に興味を持つとしたら中学以降になるだろうけど、当時の日本を垣間見るきっかけになるのはいいのかなと思った。
戦場に行きたい人なんて、まして、死ぬことが確定している特攻隊として出撃したい人なんて、でも、自分が行くことで何かが守れるなら。そういう究極の選択ともいえる決断を行った人達。
そういった方々を賛美すると、あっち方面からいろいろ言われるのかもしれないが、家族を守りたい、国を守りたいという想いとその決断には敬意を覚える。
彼らの死は犬死にだったという見方もあるだろう。しかし、彼らのお陰で今の日本があると思いたい。生きたいのに生きられなかった彼らを思うとやるせない。
2023年11月25日
-
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)
- 森下典子
- 新潮社 / 2008年10月28日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
一言でいうと「すごく良かった」
お茶という今まで縁のない舞台であるにもかかわらず、その世界に引き込まれた。
巡る季節と年月を重ねることがなんと素敵なことか。それに気づくことができただけで人生の彩りは大きく変わるだろう。
何度も手に取り、その文章を、世界を味わいながら、移りゆく季節を感じたい。そんな気持ちにさせてくれる作品だった
2023年9月9日
-
新装版 蝉しぐれ (下) (文春文庫) (文春文庫 ふ 1-64)
- 藤沢周平
- 文藝春秋 / 2017年1月6日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
言えなかったこと、会えなかったことで想いはすれ違い、それでも人生は積み重なっていく。
人生にたらればはないが、それでもふと考えてしまう。しかし、そのたらればの道に進んでいれば、今の状況には至っていないであろうことを考えるとこの道で良かったと思う。そう思えるのは幸せだ。
そうかもしれない、いやしかし、そんなことはない。そんなことを心に抱きつつ、最後に二十数年経った後で当時の想いを確認するものの道は変わらず。最後の2人のやり取りは何とも切なく、それでいて潔いすがすがしさを感じた
2023年8月25日
-
さみしい夜にはペンを持て (一般書)
- 古賀史健
- ポプラ社 / 2023年7月18日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
会話形式なので、読みにくさは全くといっていいほどない。
読書になれてない人でも読みやすいはず。
中学生くらいになったら、うちの子ども読んでくれないかな。
書くことを通して、考えることを習慣にしとくといい人生送れるんじゃないか。自分のこともよくわかりので、多感な時期にちょうどいいんじゃないか。と思う。
2023年8月7日
-
アルテミス 下 (ハヤカワ文庫SF)
- アンディ・ウィアー
- 早川書房 / 2018年1月25日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
前作の「トラブル続きでハラハラドキドキ」という感じではないが、めまぐるしい展開で一気に読めた。
最後の展開は「えー、そうなん?知らんかった-!」のひと言に尽きる。
2023年7月20日
-
アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF)
- アンディ・ウィアー
- 早川書房 / 2018年1月25日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
「火星の人」「プロジェクト・ヘイル・メアリー」に比べると穏やかな始まり方。
ただ、読み進めていくとぐいぐいと物語に引き込まれた。
2023年7月18日
-
きみの友だち (新潮文庫)
- 重松清
- 新潮社 / 2008年6月30日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
「友だちとは何か」を考えるのに良い本だった。
「みんな」と「友だち」
「みんな」になったとき、人はどう変わるのか。
「みんな」とどう付き合っていくのか。
多感な年頃になったら子どもにも読んでもらいたい。
2023年7月18日
-
海の見える理髪店 (集英社文庫)
- 荻原浩
- 集英社 / 2019年5月17日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
人生いろいろ。皆過去と折り合いを付けながら生きている。
「実際、そういう人もいるよなぁ」と想いながら読み進めた最終話。序盤から目頭が熱くなりっぱなしだった。
あの頃の子どもにはもう会うことはできない。それを受け入れて前を向けるのは、今そこに居てくれているからこそなのかもしれない
2023年6月7日
-
いのちの車窓から (角川文庫)
- 星野源
- KADOKAWA / 2022年1月21日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
星野源という一人の人間の魅力が詰まった本
2023年1月9日
-
傲慢と善良 (朝日文庫)
- 辻村深月
- 朝日新聞出版 / 2022年9月7日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
読みながら、これほどまでに胸が苦しくなった小説はあっただろうか。
自分の人生を重ね合わせ、自分も少なからず持っていたであろう思いが解像度高く言語化されていく様子はただの恋愛小説と呼べるものではないと感じた。
できることなら、23歳の俺に読ませてやりたかった。
そして、18歳くらいになったら子ども達にも読んで欲しい。
それと、子を持つ親にも読んでもらいたい。
そう感じた一冊だった。
2023年1月23日
-
天才たちの未来予測図(マガジンハウス新書)
- 斎藤幸平
- マガジンハウス / 2022年9月29日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
それぞれの人となりを知るにはちょうど良い分量と内容。裏を返せば、日系テレ東大学などでよく知ってるって人(ファン)にとってはすでに聞いたことある内容かもしれない。
2023年1月2日
-
火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)
- アンディ・ウィアー
- 早川書房 / 2015年12月8日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が面白く、著者に興味を持ったので1作目から読んでみようと手に取った。
絶望的な状況から物語は始まるが、そんな中でも主人公は限りある資源をフル活用して「いかに生き長らえるか」を考え、実行に移していく。その過程は中学、高校の化学で学んだことの応用であり、非常に面白い。
逆に学び始める前に読んだとしても、授業の中で「あぁ、あの小説に書かれてたのはこういうことか」という体験ができるのでそれはそれで記憶に定着し易くなるので良いのではないかと思う。
2022年11月20日
-
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)
- 小野田和子
- 早川書房 / 2015年12月8日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
火星でのサバイバルから脱出まで、いつ何が起こるかわからない状況に最後の最後まで緊張感を持って読ませてもらった。
最後の一文が非常に印象深かった「ほんとうのところは、人間は誰でも互いに助け合うのが基本であり、本能だからだと思う」共通の目的を見出せたとき、人は手を取り、力を合わせることができる。現実もこうあればいいのに。
驚いたのは、本作が最初は無料でWeb公開されていたという事。「趣味で書いてみたんで、読んでみて」そんな軽いノリに見える一方、内容としては非常に高い知識が無いと書けない内容で思われ、そのギャップが面白かった。
2022年12月1日
-
トワイライト (文春文庫)
- 重松清
- 文藝春秋 / 2005年12月10日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
39歳の主人公達。アラフォーは通り過ぎた自分が、読んでいて共感する所が多かった。将来を夢見た少年時代、当時思い描いた未来に今、生きている自分。幸せとは何か、家族とは何か、そんなことを考えながら読んだ。
2022年10月26日
-
invert 城塚翡翠倒叙集
- 相沢沙呼
- 講談社 / 2021年7月7日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
古畑任三郎パターンで物語が展開していく。タイトルにある通り、invert(反転)した城塚翡翠側からの視点。読みながら、「さすがに前作のような、大どんでん返しは難しいだろうなぁ。素性は読者にもわかってるわけだし」と思っていたが、最後の最後で見事に裏切られた。
2022年10月23日
-
金の角持つ子どもたち (集英社文庫)
- 藤岡陽子
- 集英社 / 2021年5月25日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
単純かもしれないが、この本を読んで中学受験への見方がだいぶ変わった。
子どもを受験させようと思うようになったというわけではなく、本人が望めば反対せず応援してやろうと思う。
なぜ勉強するのか?その答えの一つが本書に書かれている。それは、努力をすると結果がついてくることを体感するため。他のことでも経験することはできるが、確かに勉強が一番確実な方法かもしれない。
2022年11月1日
-
容疑者Xの献身 (文春文庫)
- 東野圭吾
- 文藝春秋 / 2008年8月5日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
一気に読んだ。久しぶりの東野圭吾作品だったが、この一気に読ませる感じはさすが。
いつものガリレオシリーズとはちょっと一線を画すストーリー。天才的な思考と深い愛情にただただ驚愕した。
2022年11月7日
-
アトミック・シンキング: 書いて考える、ノートと思考の整理術
- 五藤隆介
- 2022年8月11日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
著者がどう考えてノートを取っているか、その考えが実例を元に解説されており良くわかった。
「TAKE NOTES!」とあわせて読むとより理解が進む感じ。「TAKE NOTES!」の副読本的な読み方もできそう。
2022年8月31日
-
カーテンコール!(新潮文庫)
- 加納朋子
- 新潮社 / 2020年9月1日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
理事長の言葉が一つ一つ刺さってくる。
この本も子どもが高校、大学生あたりになった時に読んでもらいたいと思った。
若者はこれからのことが自分を形作るので、大事にしないといけない。
歳をとった者は今までの結果が積み重なって今の自分が存在しているのでそれを受け入れなければならない。
2023年2月19日
-
Obsidianでつなげる情報管理術
- Pouhon
- 2022年7月4日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
並行して「TAKE NOTES!」を読んでいたので、内容が理解しやすかった。
中盤以降、もう一度Obsidianを使ってみようかなという気になった。
それは、便利なコミュニティプラグインが紹介されていて、Obsidianの可能性を改めて感じることができたこと。具体的な活用例が書かれていることで、使った時のメリットがイメージしやすかった事もあるんだと思う。
Obsidianが気になっている人は必見の書といえる。
2022年7月29日
-
プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
- アンディ・ウィアー
- 早川書房 / 2021年12月16日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
この作品の面白いところは、ストーリーもさることながら、「知識が活かせている感」を得られるところにあると思う。化学や物理、そして生物などの知識が多少でもあれば、この作品の面白さは倍増する。そんなに高度な知識でなくていいし、「あぁ、高校でなんかやったなぁ」くらいでもいい。
「化学や物理を勉強して何の役に立つの?」の答えがここにあるような気がする。それは、「主人公と同じように、科学者になったら役に立つよね。」というのではなく、「こういった作品をより楽しく読める」つまり、少しでも人生を豊かに感じられるということに尽きるのではないかと思う。
2022年10月17日
-
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
- アンディ・ウィアー
- 早川書房 / 2021年12月16日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
予備知識ゼロで読み始めたこともあり、最初は????の連続。
目が覚めると全身をチューブに繋がれ、ロボットアームに世話をされている自分、そしてここはどこなのか、なぜこんな状況になっているのか、全く記憶がない。
そんな状況から物語がスタートするので、最初はとっつきにくい感があったが、気がつけばずっぽりハマっている自分がいた。
その理由は下巻の感想に書くことにする。
2022年10月17日
-
1984 (角川文庫)
- ジョージ・オーウェル
- KADOKAWA / 2021年3月24日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
2022年7月23日