海 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年3月2日発売)
3.65
  • (143)
  • (305)
  • (283)
  • (56)
  • (8)
本棚登録 : 2950
感想 : 300
5

短篇7つ。
この短篇群でも、小川洋子さんの世界が広がる。

じゃあ、「小川洋子さんの世界とは?」と聞かれても、言葉にできないのである。

ある種の静けさ、ある種のはかなさ、ある種の美しさ、いろいろな面を一文にもっているのである。

表題作「海」では、「めいりんきん」という不思議な楽器と恋人の弟の話。

お気に入りは、「バタフライ和文タイプ事務所」「缶入りドロップ」「ガイド」である。

特に、「バタフライ和文タイプ事務所」は、単に「すごいなぁ」という読後感しか出なかった。タイプライターの一文字から、こういう世界観を生み出せるのは、すごいとしかなかった。

「海」
「風薫るウィーンの旅六日間」
「バタフライ和文タイプ事務所」
「銀色のかぎ針」
「缶入りドロップ」
「ひよこトラック」
「ガイド」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学 > 現代 > 女性作家
感想投稿日 : 2021年4月25日
読了日 : 2021年4月20日
本棚登録日 : 2021年4月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする