どこまで暗く落ちていくのかと思う。でも、投げやりと息悶えの真ん中くらいな諦念がすごく人間くさくて、スケールは違うのだけども、こういうことってあるよなあとちょっと分かる部分もある。
それにしても、社会問題の坩堝のような作品だなあと思う。宇佐美氏の『聖者が街にやってくる』も同じような問題を扱っていたけど、全く次元が違う。扱う問題の次元ではなくて、それを扱う空気感というか、受け止め方というか。
天童荒太は、すごく繊細な作者なんだと思う。ダイナミックな物語展開の中で、本当なや微細に人の心を描写していくなあ。
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- 感想投稿日 : 2020年5月22日
- 読了日 : 2020年5月21日
- 本棚登録日 : 2020年5月21日
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