チュウガクセイのキモチ

  • 小学館 (2008年1月24日発売)
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本棚登録 : 73
感想 : 8
3

共感できたのは、中学生との対談で「逃げる」ことの大切さを伝えているところ。続けることの大切さばかり推奨されがちだけど、逃げることも自分を守るための手段の一つだと思う。でも、それってなかなか学校の先生たちは教えてくれない、学校の中でなんとか居場所を見つけてもらおうと躍起になってる。…まぁ、堂々と「この学校から出ていってみよう!」とは言えないか…。
他にも「ゆるんだりすることで見えてくるものがある」「そのエリアを出るともっとおもしろい人とか、変わった人とかがいっぱいいる」「人の環境は変わる」とか、本当にそうだよなぁと思うこと然り。でも、そうはいっても家庭と学校の中で過ごさざるを得ない中学生にどれくらい伝わったんだろう。

p.75 「一歩、今、きみたちが生きている世界から踏み出せば、本当に無数の未知の世界があるんだということを、ちゃんと知ってもらいたいなと思う。」

誰かに語る、伝えるということは、自己というものにきちんと向かい合うこと。もっとクラスメイトと語り合える時間、場所があればよかったなぁ。

36、7歳の頃にデビューしたというあさのさん。「バッテリー」は主人公・巧の頑な性格に疲れて途中でリタイア。「No.6」も「The MANZAI」もシリーズ化しているものの、1巻だけ読んでそのまま…。本書もあんまり共感できないのでは…と手に取ったけど、意外やなかなか好きな一冊でした。十代の頃、「おまえのことはすべてわかっている。理解しているからな」という大人のセリフが虫酸が走るほど嫌いだった、というあさのさん。私もかなりの”先生嫌い”だったので似ているかも…とあさのさんに興味が沸きました。
★3.5

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年9月5日
読了日 : 2012年8月24日
本棚登録日 : 2012年8月24日

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