なのはな (フラワーコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館 (2012年3月7日発売)
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本棚登録 : 636
感想 : 101
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知らなかった…。モト様が大震災後にこんな作品を書いていたなんて。なんたる不覚。いつ頃からか、大好きな少女マンガをあまり熱心に追いかけなくなり、書店パトロールの時もコミックコーナーには立ち寄らなくなっていた。でもこの本には「呼ばれた」。白地に銀色の描線が光を放っているようだった。

放射能物質を擬人化した三部作には、作者のストレートな怒りが満ちている。その前後に配された「なのはな」二作からは、深い悲しみと心からの鎮魂の思いが立ちのぼってくる。「銀河鉄道の夜」と「光の素足」をモチーフにした描きおろし作に、涙が流れて止まらなかった。そうだ、銀河鉄道にはタイタニックの乗客も乗っていた。みんなが「なあんにもこわいことはないぞう」という声を聞けますようにと祈るばかりである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2012年10月22日
読了日 : 2012年10月22日
本棚登録日 : 2012年10月22日

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