ロボット・イン・ザ・ガーデン ロボット・イン・ザ・シリーズ (小学館文庫)

  • 小学館 (2016年6月12日発売)
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感想 : 24
5

予想外に、びっくりするくらい、最高におもしろかった! いやなところがひとつもなくて、読んでいてものすごく楽しかった! 読み終わりたくなかったー。

ごく近い未来が舞台で、アンドロイドが家事などの雑用は全部やってくれるようになっている。(そもそも、アンドロイドとロボットってなにが違うの?と思って検索したらば、アンドロイドは見た目が人間に似ている、ってことらしい。ロボットは金属の四角っぽいやつ、ってことか)。旅行に使用人としてアンドロイドを連れていく人も多くて、アンドロイドは人間と別の探知機の列に並ぶとかいう場面があったり。
そんな時代にもはや流行おくれで珍しい、金属の四角っぽい、しかも壊れかけたロボットが、いきなり主人公(28歳男)の家の庭にあらわれて、っていう話。ロボットはなんだかだんだん幼稚園くらいの小さな子供に見えてきて、主人公はそのロボットを直してあげようと思い、それがロボット連れで世界をめぐる旅行になり、行く先々でいろんなできごとが、っていう。

とにかく!!ロボットが!かわいい!! かわいすぎる!!
タングという名になったロボット。もう幼稚園くらいのちいちゃいやんちゃな男の子にしか思えない!! ロボットなのに表情がある!! わたしはあんまり犬、猫などに興味ないほうなんだけど、このロボットにはやられた。
同時に、大人になれず、妻にも愛想をつかれ、なにをやってもダメな主人公が、タングとすごすうちに前向きに成長する話でもあって。ダメっていうか、主人公は弱いところもあるかもしれないけど、心優しいちょっとマヌケな善人で魅力的なのもよかった。

こう書いていくと、なんだかやけにほのぼのした、ただのイイ話みたいだけど、まったくあざとさを感じないのがすごいところかも。ユーモアのあるテンポいい文章でぐんぐん読めて、イイ話にはだまされないぞとか思っていても、思わずじーんとしてしまうような。
不快な場面がまったくないっていうのも今どき貴重かも。
あまりにも読んでいてずっと楽しいので、これは最後に哀しいことがあったりして?とものすごーく心配してたんだけどそれもなくて、本当に最高だった。たまにはこういう小説があってもいいはず!

普段、日本の小説だとドラマや映画になる予定ってきくと、じゃあ読まなくていいかな、と思ってしまうのだけど、これは「映画つくればいいのに!」と思ったら、実際、映画化の話もあるらしい。映画になった、動くタングがぜひ見たい!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年1月26日
読了日 : 2017年1月26日
本棚登録日 : 2017年1月26日

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