舞台は不安が蔓延する2014年日本。そこにいるのはテレビ制作会社でディレクターとして働く伊沢。そこから始まる現実のような世界。感染する恐怖と憎悪、高まるセキュリティ意識、煽るメディア・・・・・そして・・・・
これはそう遠くない未来の現実ではないかとも思わせる内容でした。それは意識と無意識の存在。そこから人々は暴走し始める。
主人公は言う
「僕は砂漠を歩いている。この方向が正しいかどうかわからない。でもひとつだけ言えること。変えるべきだと思わないのなら方向を変えないこと。真直ぐ歩き続けること。方向感覚に自身が無いのならできるだけ脇目を振らないこと。周囲とずれて取り残されてもあせらないこと。いったん歩き始めたその方向が、街やオアシスへの最短距離なのだと思い込むこと。 根拠はないけれど信じること。そして決して揺るがないこと。揺らいでもあわてないこと。正しいと思うなら自分を信じること。小さな間違いはたくさんあるけれど、自分は大きくは間違ってはいないと信じること」
これがこれからの進むべき道である。
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- 感想投稿日 : 2012年7月13日
- 読了日 : 2011年1月9日
- 本棚登録日 : 2011年1月9日
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