三枝三部作の三作目(厳密に言うと、近年、四作目が出ました)。
実際にあった企業再生のストーリーをほぼ充実に再現(著者によると90%程度らしい)した戦略小説モノ。
この本、とてもいい本だということは分かるのですが、
とても読み手を選ぶ本ですね。。
残念ながら、自分はまだその域に達していないような気がします。
というのも、具体的な戦略にはあまりフォーカスされておらず、
どちらかと言うと企業を変革する際の組織内(外)に起こる抵抗や難所に焦点が当てられている(ような気がする)。
おそらく、具体的な戦略は一作目に詳細を書いたから、
同じようなことを書く必要はないという著者の意向の表れではないかと思われるが、
やはり具体的な戦略立案をテーマにした小説仕立ての本はあまり多くないため、
戦略立案を疑似体験したい読者は自分に限らず一定数いるのではないかと思われる。
一方、変革を起こる際の抵抗や難所について、
(理論としては理解できるものの)あまりピンとこなかったのは、
自分がそういった危機的な組織に属したことがないからというのも影響していると思われる。
(そういう意味では、自分は企業を見る目があるのか、単に幸運なのか、よく分からないが…。)
そういった背景があったので、中々腹落ち感が持てない企業再生物語だった。
小説自体が悪いのではなく、
自分の経験値の引き出しのなさからくる腹落ち感のなさが少し残念だが、もう少し色々なビジネス経験を経て、
もう一度戻ってきたいと思わせてくれる本だった。
- 感想投稿日 : 2019年12月28日
- 読了日 : 2019年12月27日
- 本棚登録日 : 2019年12月24日
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