進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2007年1月19日発売)
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本棚登録 : 4314
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著者が留学中に、慶應義塾ニューヨーク学院高等部で2003年?に行った四回の講義と、日本帰国後に大学院の学生との座談会式の講義を纏めたもの。分かりやすい語り口で、脳科学の研究成果を解説している。2007年発行。

内容的には、あまり新しい発見はなかったが、全編を通じて、著者の情熱的な語り口が印象的だった。

下等な動物ほど記憶が正確で、凡化できず応用が利かないっていう話のところでは、自閉症の人の中に写真のようにものすごく正確な記憶力を持っている人がいることを併せて考えてしまった。

人間は、記憶があいまいであるがゆえに、あいまいな記憶同士がふと結びついて新しいアイデアを創造することができるが、記憶が正確無比で完璧に整理整頓されているコンピュータはこのような創造性を持つことができない、という話は、人間とコンピュータの本質的な違いをうまく言い表していると思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サイエンス
感想投稿日 : 2019年4月12日
読了日 : 2019年4月12日
本棚登録日 : 2019年4月11日

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