聖女の救済 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年4月10日発売)
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子供ができないことを理由に離縁を通告された妻が夫を毒殺したが、毒物の混入経路がわからない。用意周到な完全犯罪を湯川先生が暴いていく、ガリレオシリーズ第5作。

内海薫刑事らが犯人に疑いの目を向けた理由が不自然。シャンパングラスをカップボードに仕舞っていなかっただけで疑いの目を向けるというのは、ちょっと無理があるよなあ。強引なストーリー展開に興醒めしてしまって、物語にあまり引き込まれなかった(犯人自体は最初から明らかにされていたし)。トリックはなかなか面白かったのだが…。

本作、女性読者の一部は不快感を感じるんじゃないかな。「さすがに女は目のつけどころが違うな」、「女の直感を信用しろってか」、「せっかく女性刑事を入れたというのに、発言しにくい雰囲気を作っているんだとしたら、話にならん」、「そういったことについての女性の直感というものを、僕は信用する主義なんでね」、「それにしても女性というのは恐ろしい。あれほど合理性のない、矛盾に満ちたトリックを考えつくんだからな」などなど。男目線で、女性の特異性を見下しているような感じを受けた。まあ、2008年の作品だからな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2021年8月31日
読了日 : 2021年8月31日
本棚登録日 : 2021年8月31日

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