師匠の下から独立し料理屋「ふね屋」を開業した太一郎一家。しかし開業初日の宴の席で突然抜き身の刀が暴れだす。高熱で生死の境をさまよった太一郎の娘おりんにだけ刀を持って暴れた亡者の姿が見えた。
ふね屋に住み着く他の亡者たちと仲良くなったおりんは、家族のため亡者たちのことを調べ始める。
まず言いたいのがおりんちゃんが可愛いです! 霊たちと仲良くなり亡者たちを”お化けさん”と呼ぶあたりなんかが特にツボです。
亡者たちの個性もどれも光っています。おりんと仲良くなる侍・玄之介や姉御肌のおみつ、宴会で暴れたおどろ髪を含め五人の霊が登場しますが、それぞれの個性が非常に立っていてやり取りも軽妙です。宮部さんの時代物の安定感はやっぱりすごいです。
作中の料理描写も見ものの一つ。いろいろな騒動のせいで料理がちゃんと食べられる場面はないのですが、創意工夫を凝らした料理の数々はどれもおいしそうです。
いろいろ書きましたが結局おりんちゃん頑張れ!という一言に集約される上巻(笑)。宮部さんなので可愛さ、軽妙さだけでは終わらないと思うので、下巻も楽しみです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説・歴史小説
- 感想投稿日 : 2015年5月21日
- 読了日 : 2015年5月20日
- 本棚登録日 : 2015年5月14日
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