天涯孤独の身である女の子ほうとその周りの人々が藩に政府役人が流罪されたことをきっかけに過酷な運命に翻弄されていく様子が上巻では描かれます。
丁寧に描かれる町の様子や藩がおかれた状況の説明もあって話の動きだしは遅い感じですが、宮部さんらしくやはり登場人物たちの描写が丁寧!
ほうとほうを預かることとなる引手の宇佐とのやり取りや、途中から大きく見方の変わった登場人物もいてそういう点もいいのですが、特に心に迫ってきたのは登場人物たちが大きな権力による思惑を前にどうしようもない状況に置かれてしまう様子がとてもやるせなく架空の出来事とは思いながらも非常に悔しい思いになってしまいました。
特にほうの人生は苦しいことばかりで、どうにかしてあげれないのかなあ、と終始思いっ放し。
上巻では重たい雰囲気のまま下巻に続いていったのでここから登場人物たちにどんな運命が待ち受けているのか、少し不安を抱えながら読み進めていくことになりそうです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説・歴史小説
- 感想投稿日 : 2012年3月24日
- 読了日 : 2012年3月24日
- 本棚登録日 : 2012年3月15日
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