物流は倉庫や配送車両のシステムを整えるのに多くのコストと時間が必要なため、有力企業に一度それを構築されると他社にとっては極めて参入障壁が大きくなる世界だ。覇者は国によって異なるが、日本ではヤマト運輸がほぼ制したと言えるだろう。
そのヤマト運輸の配送業務がパンク状態になっていることと、その原因が主にアマゾンの荷物の急増だという話が話題になった時期に、本書が月替りセールに入ったので読んでみた。著者は物流業界の方とのこと。
序章から第二章までは、主にアマゾンのビジネスモデルを物流の視点から解説している。最後の第三章ではアマゾンに対抗するための様々なアイデアを実例と共に紹介するという形だ。実は本書を読むにあたって自分の仕事に役立てるつもりなどまったくなかったのだが、顧客との関係性の築き方などの点で参考になる部分も少なくなかった。
私も日本では客としてアマゾンをおおいに利用していたが、中国ではアマゾンよりタオバオ(淘宝網)などがメジャーであり、物流についてもやや様子が異なるように見える。ネット通販があまりに普及した結果、実在店舗がなくなっていくという状況は日本より進行している(ヨドバシみたいな店がない)。中国のネット通販と物流がどんな仕組みになっているか解説した本があれば読んでみたいが、刻々と状況が変化するので、多分難しいのだろう。
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- 感想投稿日 : 2017年6月26日
- 読了日 : 2017年3月28日
- 本棚登録日 : 2017年6月26日
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