珈琲の世界史 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (2017年10月17日発売)
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感想 : 15

 タイトル通りコーヒーに関する歴史の紹介。飲料として飲まれるようになった時代と地域、それが世界中に伝わった経路、各国における普及の仕方の特徴、そして20世紀以降の生産国と消費国の関係や、新たな流行などまで。

 コーヒーはただ美味しい飲み物というだけでなく覚醒作用を持つため、ある時は薬として重宝され、ある時は有害物として中傷されることもあった。また、列強によって植民地の商品作物として強制的に栽培させられた人々もいれば、良質な品種は血眼で争奪戦が繰り広げる人々もいた。さらに戦略的に流通をコントロールする生産者と安く入手しようとする消費国の業者など、さまざまな人々がさまざまな思惑で関わってきたようだ。

 酒や麻薬のように裏社会の関与があったわけではないが、それでも十分に波乱万丈の商品史だろう。今後もコーヒーは多くの人の嗜好と思惑を飲み込みながら変遷していくと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年4月24日
読了日 : 2019年4月20日
本棚登録日 : 2019年4月24日

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