ホームズシリーズ最後の長編作品で、こちらもホームズ達が活躍する第一部と、物語中の人物の事情を描く三人称の第二部とに分かれる二部構成。
第二部ではなかなか話の本質が見えて来ず、「一体いつまでこのアメリカ人のお話を読み進めればいいんだ?」と思った瞬間もありましたが、最後のどんでん返しに「ああ、なるほど!」となりました。
この第二部は第二部である意味独立したひとつの物語になっているので、読み終わった今にして思えばこれはこれで面白いつくりだったなと思います。
そして最後の数ページで展開されるエピローグでは更に一波乱があり、「最後の事件」で存在感を示しつつもそれを読んだ時点ではどうしても「(ある意味で)即席で用意された悪役」といった印象が拭えなかったモリアーティ教授の「倫敦社会の裏で暗躍する大犯罪者」としてのインパクトも充分に与えられたのではないかなと思います。いずれ来るホームズとモリアーティとの決着の時を予感させるような幕引きも良かったです。
そして今回のメインである殺人事件のほうも、現在の科学捜査技術ではすぐに見破られてしまい成立しえないトリックとはいえ、こちらも第二部と同様のどんでん返し的な結末で、読んでいて非常に楽しかったです。これまで読んできたホームズ作品の中でも「ああ成程、そういうことか!」と思う展開が多かった作品でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年4月7日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年4月7日
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