戦争を単なる国と国のケンカだと決めてかかり、強いものが勝つと単純に考えられた1800年代。ヨーロッパのプロイセン王国の軍人クラウゼヴィッツは「戦争とは何か?」を問う。クラウゼヴィッツが目を向けたのは、軍人ならではの戦争の勝ち方はもちろん、戦争発生のメカニズムや戦争パターンの分析などにも及ぶ。
そんな彼が戦争の根源に興味を持ったきっかけは、ナポレオン率いるフランス軍にプロイセン軍は圧倒されたこと。捕虜となった彼はナポレオン軍に恐怖し、対抗策を練ると同時に、その強さに惹かれたのだろう。もちろん立場上、その強さを称賛するわけにもいかず、グローバルな視点で「戦争」を論じることにした。という気がする。
そんな敗者の立場から勝者にあこがれるクラウゼヴィッツの複雑な心情が、マンガだからこそ伝わってくる。
ところで、核兵器が発明されてしまった現代において、クラウゼヴィッツの戦争論は通用しなくなったのか。本書はそんなところまで踏み込んでいる。
読書状況:読み終わった
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教養
- 感想投稿日 : 2018年8月30日
- 読了日 : 2018年8月30日
- 本棚登録日 : 2018年8月30日
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