さらにどっぷりとはまった感じ。小説を読む面白さを存分に味わった。
時間的にはグッドラックのラストシーン直後から数時間分という短い期間の話なんだけど、文字と思考の密度はとっても濃い。
人間を生体モニタとして使うって面白い考えだ。
機械知性体の感じる時空の捕らえ方も新鮮だ。
登場人物の過去や思ってることがじっくり書かれていてとても興味深かった。それには仕掛けがあるんだけど…。
会議での雪風の「問い」に、作者がどう答えるのか楽しみでならない。
それにしてもラストの雪風は美しいなあ。
雪風シリーズ3作通して読み、神林氏のほかの作品もいくつか読んでみた。娯楽としても十分楽しい作品だけれど、なんだかいろいろ哲学っぽい思考を知らないうちにさせられてる。たとえば…機械とか言葉とか人間も、創り出したものが生み出したその人には理解できる、というのは傲慢な思想なんだな。それを認めて受け入れることで、なにか違う世界が広がるのかもしれない…そんなこと。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF(長編)
- 感想投稿日 : 2012年2月7日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年2月6日
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