嫌われる勇気

  • ダイヤモンド社 (2013年12月12日発売)
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自分の気持ちの持ち方で幸福感は得られるという話。そこには真理もある。

でも、外因を否定したり、承認欲求を否定してしまったりしているので危険だと思う。抑圧につながる。否定するのではなく向き合っていくほうが安全だと思う。
外因に原因を求めたり、承認欲求は生まれてしまったりするものなので、それを「自分がなっていない」と思うと自分は意志が弱いという劣等感をはぐくむことになってしまうと思う。ネガティブなことを全部自分の意志の責任で負わなければならないというのは極端で心の健康を損ないかねない。
心理学というのも危険だと思う。再現性が追求されておらず科学的ではない。人生訓だと思う。


・原因論の否定→無理がある。自分の意志だけではすべての外因は克服できない。これはあまりに精神論で外因に目をつぶりすぎて危険。ただ、実は原因を捏造していることがあることはわかる。
・人の悩みは全て対人関係→これはほぼ同意
・承認欲求を否定→これは不同意。承認欲求は根源的なものだと思う。苦しみの源泉になりうることには同意をするが否定するのは欲望を隠すことで危険だと思う。むしろ承認欲求をみとめることで相対化していくほうが安全だと思う。
・自分と他者の課題の分離→基本的には同意。教育の面では過干渉はダメだが、ある程度の介入は必要
・変えられるのは自分だけ→同意。北風と太陽だね。
・縦の関係でみない。横の関係で見る。→存在には上下はないという心がけは大事だが、現実には能力には上下がある。
・自己肯定ではなく、理想通りではない自己をも受容→無理がある。60点なら受容できても、10点でも受容するのは難しい。10.1点に高めても受容は困難。
・幸福とは貢献感である。→その気もちもわかるが、個人的な欲望の幸福感、優越性を感じる幸福感もある。
・人生とは連続する刹那→マインドフルネスが心の健康に良いことには同意する。でも、過去と未来を行き来するのが人間。それは否定できないし、過去と未来から紡ぐ物語には面白さがある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年2月21日
読了日 : 2024年2月21日
本棚登録日 : 2024年2月21日

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