ナオミとカナコ

著者 :
  • 幻冬舎 (2014年11月11日発売)
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小田直美 28歳
美術展の仕事をしたいと思い選んだ就職先が老舗百貨店
しかし、希望は叶えらる事無く、外商部…憂鬱な日々を送る。
大学時代からの親友、服部加奈子
専業主婦で夫の達郎は31歳の銀行員
加奈子は命の心配をしなければならない程危険なDVに耐えていた。

三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追い詰められた
二人が下した究極の選択…。
『いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那』


ナオミの父は母に暴力を振るっていた。そんな父も母も家庭も嫌だった事もあり
カナコのDVを知った時、カナコを見捨てたら一生自責の念に囚われるという
狂おしい程の焦燥感が込みあげてくるのを、抑えられない…。

ある大きな偶然によりナオミの頭の中には達郎を排除する事
クリアランス・ブランしか受け付けなくなっていく。
いかにして消えてもらうかという空想に支配された。
2人は完璧なプランが完成したと実行に移す。

完璧な様に見える2人の計画ですが、読み手としては
いくつもの駄目だよそれはって思う事があるし、
穴にも気付きます。
甘過ぎるよ杜撰過ぎるよその計画も二人のとった行動の数々も…。
途中まで、どうして読み手にすぐに気付かれる
こんなに、迂闊で甘い計画・行動をとらせるんだろうって思ってた。
でも、読み進むにつれこれは奥田さんの作戦だったんだと感じた。

大きな偶然や甘過ぎる計画や迂闊過ぎる行動の数々のせいで
やはりナオミとカナコは、どんどん追い詰められて行きます。
やっぱりねー。あーあそこも、ここも思った通りだよ。
どうして、気付かなかったの…って二人に心の中で何度も責めてた。
それなのに、二人には何としても切り抜けて欲しい!逃げ切って欲しい!
自分も二人と一緒に、追い詰められているような
逃げているような気持ちになってた。
二人の共犯者になってた…。
これが、奥田さんの作戦に嵌っちゃってたんですね~。

最後の一行まで、息苦しい程のスリルでした。
面白かった~。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2016年2月27日
読了日 : 2015年2月10日
本棚登録日 : 2016年2月27日

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