仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。

著者 :
  • かんき出版 (2016年1月18日発売)
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感想 : 24
3

https://bnl.media/2018/02/BNLBooks-VOL2.html
── 要点1 ──
メモはその時取って終わりではなく、考えるきっかけを未来の自分へ残すためのものである。

── 要点2 ──
人間の記憶は時間とともに必ず風化してしまうものなので、記憶力に頼らずその時の状況が一瞬で思い出せるようなメモを書くことが重要である。

── 要点3 ──
本書では、情報を整理するためのメモ術だけでなく、メモを使って新たなアイデアを生み出し、人にうまく情報を伝えるためのメモ術も紹介されている。】

・まとメモ:情報を上手にまとめて仕事の効率を高める
①未来の自分にポイントを「〇」で教える
1.「〇」の数は1つのメモに最大3つまでにするのが望ましい。「〇」をつけすぎると、どれが重要なのかわからなくなってしまうからだ。
2.どこかに書いてあることには「〇」をつけないことである。企画書など、すでに文書になっているものは、わざわざメモする必要はない。自分が大切だと思った考えや後で調べる必要のあることなど、書いておかないと忘れそうなことに「〇」をつけるのがよい。
3.疑問点には必ず「〇」をつけることだ。「これはなぜか?」というシンプルな疑問こそが、未来の自分に考えるきっかけを与え、真の課題をあぶり出すことにつながるからである
②やじるしなどの記号で、メモに秩序を与える。
③吹き出しは未来の自分への指示書である。

・つくメモ:既存のアイデアを組み合わせて斬新なアイデアを生む
①ハードルメモ
タイトルが決まると話の中身が書きやすくなるように、人はルールがあると考えやすくなる。例えば、「コストを3分の1にしてクオリティは上げろ」といった目的を明示して、超えるべきハードルを設けることで、人は考えを深め画期的なアイデアを生み出すことができる。
目標を「それは本当に、〇〇〇するか?」という文に当てはめるというものだ。〇〇〇にはチームの目標が入り、例えば帝国ホテルの目標が「帝国ホテルのサービスを向上する」だったならば、「それは本当に、帝国ホテルのサービスを向上させるか?」となる。あとは、具体的な個々のアイデアがこのルールに当てはまるかどうかを考えればよい。また、目標がハードル化されると、人はハードルを越えようとするため、精度の高いアイデアが集まるというメリットもある。

②マンガメモ
脳は絵やマークが入っていた方が物事を簡単に理解することができ、断片的な情報よりも、ストーリー化された情報の方が覚えやすいという特性を持っている。

③ブラック三角メモ
ユーザーの不満から隠れニーズを探る。右手の三角形にユーザーの不満を、左側の三角形には今の技術でできそうなことや商品情報を書き連ねていく。そして2つの三角形が交わってできる真ん中のひし形に、その左右の条件を満たすようなアイデアを書いていくだけだ。このアイデアこそが、ユーザーの「隠れニーズ」を解決するものなのだ。

④ホワイト三角メモ
短時間でアイデアを量産する。まず解決したい課題を設定し、先述した図の左側の三角形にその課題に関係することを書きこむ。例えば「銭湯に若い女性を呼び込む」ことが課題なら、左側には「コーヒー牛乳」や「富士山の絵」「えんとつ」といった言葉が入る。次に、右側の三角形にターゲットの好きなことをリストアップする。この場合若い女性がターゲットなので、「壁ドン」「イケメン」「美白」といったワードが入るだろう。最後に、左と右のキーワードをつなげて面白い言葉を作るのだ。具体例として、「富士山の壁で壁ドン」「コーヒー牛乳美白」「イケメン煙突」などを挙げることができる。ちぐはぐでそのままでは使えないものもあるが、この方法を実践することで普通に考えていたら思い付かないような面白いアイデアが生まれる。

・つたメモ:伝えたい情報が的確に相手に伝わるため
人に自分の考えを伝えるときに大事なのは、「伝える」ではなく「伝わる」ことを意識する点である。
①『見出し』メモ
見出しは「メモ年月日+その内容+そのときのメンバー」が基本形だが、会議でのメモであれば一言そのときの会議での発言を加えるだけで、メモの臨場感がグッとアップし、続きを読みたいという気持ちを喚起してくれる。

②★スピーチメモ
面白いスピーチのヒントは書籍の「タイトル」にある。タイトルには、その本に興味がない人にも興味を持ってもらうための工夫が凝らされている。
1.「なぜ?」。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』というベストセラーは、まさにその好例だといえる。
2.「呼応」。人は呼びかけられると無意識に応えたくなるものだ。著者は、まだフェルメールが日本で有名になっていなかったときに、「君はフェルメールを見たか?」というキャッチコピーに遭遇し、つい「見に行った方がいい」と思ったそうだ。
3.「数字」。人間はとにかく数字に弱い。タイトルに「99%の~」「10の法則」などのように数字が盛り込まれた書籍に惹かれてしまうのだ。
スピーチをするときも、書籍のタイトルになりそうな一行の簡潔なメモを並べて話すようにすると、周囲から興味を持ってもらえる可能性が高まる上に、原稿にくぎづけになって下を向いたままという状況を防げるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読み物
感想投稿日 : 2018年3月7日
読了日 : 2018年3月7日
本棚登録日 : 2018年3月7日

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