日本をダメにしたB層の研究

著者 :
  • 講談社 (2012年10月19日発売)
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感想 : 89
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適菜節。よい。新版が出ているので,こちらはざっくり読み。

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 かつては「昔の人だからすごい」という感覚はあっても「昔の人なのにすごい」という感覚はありませんでした。偉大な過去に驚異を感じ,畏敬の念を抱き,古典の模倣を繰り返すことにより文明は維持されてきたからです。(p.69)

 卑劣な人間は卑劣な顔をしているし,悪人は悪人顔をしている。ヒポクラテス(前四六〇頃~前三七五年頃)もプラトン(前四二七~前三四七年)もレオナルド・ダ・ヴィンチ(一四五二~一五一九年)もゲーテも,顔と内面の関係について興味を持っていました。
 観相学とは,顔だちや表情から,性格,気質,才能を判定しようとする学問であり,二〇世紀に入ってから心理学の分野で体系化されます。
 顔で人格を判断できるのは,人類が歴史的に身に付けてきた身体感覚に由来します。その前提が了解されているからこそ,少年マンガに登場する悪役は悪そうな顔をしている。不思議ですが,これが人間社会の真実です。
 今の世の中では,経験的な知より「政治家を顔で選ぶのは間違っている。政策で選ぶべきだ」といった小理屈が優先します。しかし,民主党の例でもわかるとおり,政策など大衆受けすることしか書いていない。むしろ,政策だけで政治家を選ぶほうが危険です。
 政治家にとって顔ほど大事なものはありません。(p.168)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年9月11日
読了日 : 2023年9月12日
本棚登録日 : 2023年9月11日

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