トマトとイタリア人 (文春新書 310)

  • 文藝春秋 (2003年3月1日発売)
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感想 : 12
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トマト、と言えばイタリアが思い浮かぶ人がほとんどだと思います。

しかし、実はその原産はイタリアになく、ジャガイモ、トウモロコシ、カカオと同じく大航海時代にいわゆる新大陸からはじめてヨーロッパに持ち込まれ、今日では世界中で広く愛されるに至っています。

そんなトマトの歴史、イタリア人のトマトへの愛、そしておまけ(?)でしょうか、本書にはトマトを使ったレシピも纏められています。


近年のトマトについて、企業の都合による経済合理性ばかりが追及される品種改良によって、見た目は良いものの昔に比べて味が落ちたと著者は嘆いています。

しかし一方で本書に記されているようにヨーロッパに持ち込まれたトマトが食用に至るまで2百年余りも品種改良が行われたと言います。

大量生産品が十分に行き渡った今日以降では、大量生産の犠牲になった美味しさを重視したトマトが品種改良によって再びもたらされるのでしょう。お腹が空いてきますね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 食べ物
感想投稿日 : 2012年2月12日
読了日 : 2012年2月11日
本棚登録日 : 2012年1月1日

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