さいはての島へ: ゲド戦記 3 (岩波少年文庫 590 ゲド戦記 3)

  • 岩波書店 (2009年2月17日発売)
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感想 : 49
3

 1・2巻に比べて、随分と読みやすかった。
 時代の変化と共に、流行の構成が変わったのか、作者の文章力が上がったのか、誌面の都合かはわからないが、導入部分が短く、早い段階から本題が明確になる。(ゲドとアレンにとっては最後に至ってやっと明確になったようだが)

 ゲド戦記は現代のハリー・ポッターシリーズに相応する物語だと思う。
しかし、ゲド戦記のほうがより神話的で、抽象的な要素が多い。読み終えると、一見命題に対する答えが書かれているように思えるが、答え自体が抽象的で、自分の中で反芻し、答えを導きなおさなければならない。それに対して、ハリー・ポッターシリーズは、一見抽象的に描かれているが、一つ一つの問題に丁寧に答えが用意されている。

 対象年齢の違いだろうか。
いずれにしても、残り3巻を読むのが楽しみである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2011年7月13日
読了日 : 2011年7月13日
本棚登録日 : 2011年7月6日

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