2015(底本2012)年刊。
① 日米(独も)原爆開発秘話、②米国の原爆投下準備と実施、③戦後の原爆調査模様。これらは他書にもある。
しかし、ⅰ)日本軍が通信分析等を通じ、原爆らしき兵器の完成を捉まえていた点、ⅱ)原爆投下の危険性をかなりの確度で軍令部や参謀本部が把握、ⅲ)殊に、長崎投下につき防衛・迎撃が確実に可能だったのに放置、ⅳ)広島後、従前、空襲被害のなかった新潟市は全市民疎開を実施、長崎市にも類似計画が有り、ⅴ)ⅳ)の計画、つまり原爆投下を予期できていたにも関わらず、米の原爆を保身の為か公に認めなかった軍上層部。
ⅵ)にもかかわらず、東京への原爆空襲の報(誤報だったが)に、疎開計画を実施しようとした軍。これらを証言・文書等から解読し、現場は兎も角、上層部は日本軍を民衆防衛のために役立てようとは考えていなかった事実を暴き出す。こんな日本軍の上層部の有り様を雄弁に語る書。
佐藤優の解説は、やっつけ仕事か?と見紛うばかりに「らしく」ない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年1月24日
- 読了日 : 2017年1月24日
- 本棚登録日 : 2017年1月24日
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