・底の底にいるときは、その場所にしかない独特の甘みがあるものだ。
・ただ、その環境に心底うんざりしていたのは確かだ。
・私は体で知っていたのだ。自分が受けている生ぬるいが確かな差別を。
・それは、誰ともわかちあえない道筋だった。
・「これが絶対だ」と思うのがこわいのかもしれない。
いつも水のように流れていたいし、それを眺めるように見続けたいのだ。
・いつでも、なにかしらがうまく届かない感じがした。
・いつそうなってもおかしくはない、ということを私は悲しい夢で毎回確認するのだ。
・なにも確かではないふたりの日々。
・あの人がいるところが、私にとっての帰るところ。なので、私は一日何も考えずにいられる。
・せっかく世界と気持ちよく遊びながら、少しでもましなものを残そうと、
ちょっとでも高く飛ぼうと思ったのに、退屈だなぁ、というふうに思ったのだ。
・違いを正すために戦うことだけが大切なのではなく、
違うということを知りぬき、違う人びとの存在理由を知るのが一番大事なのだと思う。
・「・・・あのさ、僕たちみたいな人間は、結局いつでも真ん中にはいないんだ。
はじっこの存在で、あまり目立たない方がいいんだと思うんだ。
たいていの判断はみんなと逆になるし、目立てば必ず悪く思われる。
でも、最後のところでゆずれないものだけは持っていないと、
ただの世捨て人になってしまうから」
・なぜいっしょにいるのに、こんなにも遠いのだろう。
- 感想投稿日 : 2012年5月25日
- 読了日 : 2010年9月24日
- 本棚登録日 : 2012年5月25日
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