東野作品、どれを読んでも秀逸だなぁ。これもとても引き込まれて一気に読んだ。
殺人犯の弟がその後どのように生きていくのか、という重いテーマが淡々とかつ切実につづられている。
刑務所の中から月に一度届く兄からの手紙の内容と、弟の置かれている厳しい現実があまりにもすれ違っていて辛いものを感じた。
読後感も非常に重苦しく、お腹にずんと来るものがあった。
平野社長の言葉も考えさせられる。「正々堂々とやるのは、非常に選びやすい道だ」という言葉。
その後、妻子がひったくりの被害に遭い、実際に犯罪被害者の立場になってみてわかることもあり、「差別」がいかに身近で当たり前に存在しているか考えさせられた。
これを読むと「差別は悪いこと」とは一概に言い切れなくなる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年4月9日
- 読了日 : 2022年4月9日
- 本棚登録日 : 2022年4月8日
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