「博士の愛した数式」の博士もこの物語のお兄さんも、障害者です。博士は記憶障害、お兄さんはコミュニケーション障害。
けれど少欲知足の、幸せを知る人です。世間からは何か欠格しているとみなされているけれど、世間の人の方こそ足るを知ることに関して欠格しています。
「ことり」の主人公は鳥語を解し人語を話せない兄を世話し、見送ります。
兄は職業を持たなかったけれど、弟は就業し、兄の死後も一人で社会生活を営むことができました。でも、寡黙で少欲知足だった(=人と変わっていた)ために、世間の誤解と迫害を受けます。
人と争うことを好まず、隠れるように暮らしていた主人公が最後にしたことは、ものすごく行動力にあふれたことで、自分の欲で動かない彼だからこそできたこと。長い長い廊下を歩いて行って、最後にたどりついた窓を開け放ったようなラストでした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2012年11月23日
- 読了日 : 2012年11月22日
- 本棚登録日 : 2012年10月31日
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