蹴りたい背中

著者 :
  • 河出書房新社 (2003年8月26日発売)
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2004年第130回芥川賞受賞作

初版は2003年、丁度20年前。
芥川賞受賞19歳という最年少記録はいまだに破られていない。

冒頭の「さびしさは鳴る。」という一文は有名だが、時期を逃して未読のまま時は過ぎ…。

いやー、語彙力なくて申し訳ないが、すごい。
19歳かよ、本当かよ。

まだスクールカーストなどという言葉もなかった頃に書かれたこの『蹴りたい背中』。
入学したばかりの高校で、クラスの序列から外れ、どのグループにも属さない少女の葛藤…脳内でずーっと独り言を呟き続ける気持ちや、たまに口を開くととんでもなく鋭い言葉が出てしまうところなど、もう場面が目に浮かんでくる。
にな川と絹代との関係などからも、主人公ハツの自尊心の揺らぎや苛立ちなどが痛いほど伝わる。

主人公の気持ちがちっとも分からない、という人は、順風満帆な高校生活を送った(送っている)人なんだろうなぁ…ある意味羨ましい。
2023.8

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 913日本の小説
感想投稿日 : 2023年8月22日
読了日 : 2023年8月11日
本棚登録日 : 2023年8月11日

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