「辞書は言葉の海を渡る舟だ」
「海を渡すにふさわしい舟を編む」
辞書を編纂する仕事に情熱を傾ける人々を描いた作品。爽やかであり、胸が熱くなる人間ドラマが1冊にずっしりと詰まっていた。
読んで良かったと強く思った!
ちょっと地味な、堅苦しいような内容なのかな?と読む前はあまり内容を想像できなかった。
でもユーモアあふれる描写と共に、内容はとても興味深くて、すーっと入り込める読みやすさで、読んでいる間はずっと基本的にあったかい気持ちで読み進められた。
三浦しをんさんの大人気作品。
本当に読めて良かった(2度目w )!
登場人物は、みんないい人ばかりで、愛おしくなる人達!
・馬締(まじめ)。辞書編集部に新たに迎えられる仕事に邁進する情熱を持つ人だが、ちょっと不器用なところもあるタイプ。
・荒木(あらき)。定年間近のベテラン編集者
・日本語研究に人生を捧げる老学者の松本先生
・徐々に辞書に愛情を傾けて仕事する西岡はチャラいが普通にいるタイプ
・香具矢(かぐや)は、馬締と出会った優しくて芯のしっかりした女性。など…個性豊かな人達!
まじめさんと、かぐやさんの恋模様もほっこり。
かぐやさんに宛てた恋文も面白くて、二度くらい読みかえした。言葉の専門家でもあるのにちっとも言葉を使いこなせてないところ。不器用で熱意が変に、空回りしてるところ。微笑ましくて笑った。
まじめさんと西岡さんの関係性も素敵だった。
自分は辞書編集部の無駄な人員なのかな?…と密かに悩んでいた西岡が、まじめの言葉に、救われて喜ぶところが良かったな。
『うれしいけれどくすぐったくて、くねりそうになっているー』…なんて喜ぶところに笑ってしまった!
『大渡海』という辞書が完成したときの監修者の松本先生からの手紙でのお言葉。
「感謝の言葉以上の言葉を伝えられる言葉を探したい」のところは、じーんと胸に迫って泣きそうになった。
私は、ブクログの感想を書いていても、語彙力がなくて、うまく伝える言葉が見つからなくて歯痒いばかりの気持ちを抱えている。
いろいろと言葉についても考えさせられる素晴らしい本でした。
本当に読んで良かった〜!(3度目)(笑)
- 感想投稿日 : 2023年6月10日
- 読了日 : 2023年6月8日
- 本棚登録日 : 2023年6月7日
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