長寿庵という峠のうどん屋の真ん前に、市営斎場が建設された。衝撃的なオープニング。しかし、うどん屋は移転せずに、店名を替えて葬送と共に続けることを選択した。主人公で中学生の淑子の、祖父母が営むそのうどん屋を手伝う中で人生の終焉という現場の経験を積む。核家族という言葉が陳腐化された現代では、死は遠いところ、目に触れないところにあるのだ。5章の連作短編という構成だが、それぞれにほろっと読ませるのは、さすが重松氏だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(邦国)
- 感想投稿日 : 2023年10月28日
- 読了日 : 2023年10月28日
- 本棚登録日 : 2023年10月28日
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