村上海賊の娘(四) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2016年7月28日発売)
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ページを繰る手が止まらなかった。完結編に相応しい海戦。敵味方が入り乱れて闘っているのに、泉州海賊のユーモアと、互いに名乗りを上げるという侍の時代特有の戦の進め方に微笑ましささえ感じてしまう。登場人物の多くが史料に基づく者だとしても、その生没年は不詳の者もまた多く、そこが時代小説を著す著者の力量が問われるところ。村上海賊達の使う言葉が現代語に近く標準語的だとしても、読者を物語世界にぐいっと引っ張るような筆致に舌を巻かざるを得ない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2017年8月19日
読了日 : 2016年8月9日
本棚登録日 : 2017年8月19日

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