主要な登場人物は3人。
広告会社勤務でデザイナーの由人24歳。その会社の社長で48歳の野乃花。引きこもり高校生の正子16歳。それぞれに深刻な事情を抱えて、それぞれ病んでいる。
そんな3人が、偶然、南の地方の湾に迷い込んだクジラを見に行くことになり、湾の近くの老女とその孫が住む家に何泊か泊めてもらえことになる。その老女も孫もまた、心に暗闇を抱えている。
完全なハッピーエンドではないが、物語の最後は、それぞれの登場人物が前を向いて歩ける状況で終わる。ストーリーに少し無理があるようには思うけれども、物語自体はとても興味深いものだ。
物語の最初、由人・野乃花・正子の順番で3人の長い物語が語られる。病んでも仕方がないであろう状況に、3人ともが放り込まれ、実際に病んでいく。実際に心を病んだ経験はないので、この物語にリアリティがあるのかどうか、本当のところはよく分からないが、感覚としては、リアリティを感じた。
それを読むのは辛かった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年9月6日
- 読了日 : 2020年9月6日
- 本棚登録日 : 2020年9月6日
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