いま生きる「資本論」 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2017年1月28日発売)
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本棚登録 : 248
感想 : 24
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高校頃の恩師に「大学を卒業する頃に本棚に『資本論』がないやつは、4年間を無駄にしたと思え」と言われたことをふと思い出して手に取った。

『資本論』もこれまで手に取ったことはあったものの、第一章の初っ端で挫折した経験があり、ぐじぐじと、いつかは読みたいと悩んでいた。
本書はそんな初学者にも面白く読むことができて満足。随所の脱線や、著者の経験に基づく卑近な例えを用いた説明は面白いのでスルスルと読めて、とっつきやすかった。

ただし、受講生のレポートや質疑のレベルの高さには正直ついていけず、説明箇所を何遍も繰り返して読んだり、あるいは何回読んでも最後までモヤモヤしたままの箇所もちらほらある。
やはり納得いくほどの理解には至らなかったのでもう数冊くらい関連図書を読もうと思う。何度か勧められていた柄谷行人あたりからかな。

まとめとして述べられていた、これを読んだ上で視点を変えて世の中をみたとき、少しでも息がしやすくなることと、これからどう生きようとするか考える余地が生まれる、というのはその通り。
読んだ誰かと意見を交換してみたりしたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月3日
読了日 : 2023年10月2日
本棚登録日 : 2023年10月2日

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