9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方

著者 :
  • 中経出版 (2010年11月25日発売)
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根本的に、アルバイトに高い仕事力を求めている時点で違和感があります。
会社ビジネス的にはよいのでしょうが、社会的にはどうかなと考えます。

「人件費を抑えながらよい仕事をしてもらう方法」
について書かれた本だと考えれば秀逸かと思われます。

本文中では「ホスピタリティ」ということの重要性を問うていますが
それをいかにコストをかけずに育むか。
研修にコストはかけているようですが、正社員を採用するコストと比べれば
微々たるものかもしれません。
社長がカストーディアル(清掃員)を一日するだけで大量のアルバイトの人たちのモチベーションが上がるのであれば、やる価値は大きいでしょう。
私だったら、そんなことするくらいなら社員にしろ、待遇を改善しろ、と言いたくなるところですが。

といっても、ディズニーのアルバイトと社員の給料の差、待遇の差がどれくらいあるのかは知りませんが。
パッと見たところ、「時給1000円以上」で募集をかけているようです。
中に入ったら細かくランク分けしているようなので、そこでも細かくモチベーションコントロールをしているのでしょうね。

『ディズニーは「ウエルカム」、つまりアルバイト採用に応募してきた人は、基本的に全員採用する方向で対応』(P21)

『なかには、どうしても私に賛同できないので、他部署に異動させたり退職させたりせざるをえないキャストも何人かいましたが、』(P114)

記載されていることは正論で、気づいていない会社にとっては有益な情報となるでしょう。
しかしながら、様々な姿勢を説いてはいるものの、「安い人件費で効率的に仕事をしてもらう方法」を記載しているようにも思え、その部分に触れられていないのが不快。

払ってもいい金額:300円
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2014/07/27 追記
ディズニーリゾート崩壊?異常な行列、次々倒れるキャスト、大混乱の飲食店に客がクレーム
http://biz-journal.jp/2014/07/post_5433.html
なんて記事が出ています。
記事中
「私たちは、自分たちの雇用問題だけではなく、キャスト全体の労働環境の改善を要求しています。これからの夏に向けてゲストがたくさんいらっしゃる時期になりますが、会社側はなんら労働環境を改善しようとしていません。このために、キャストの厳しい労働環境がさらに過酷なことになっています。キャストの心中は笑顔ではないのに、どうしてゲストの皆さんを笑顔にすることができるのでしょうか」(同)

って書かれてます。

当然のことながら、CSを重視するのであればESから、だと思うのですが、私も以前同様のことを社内で言ったことがありましたね。特に何も変わらなかったけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 実務
感想投稿日 : 2012年8月26日
読了日 : 2012年8月26日
本棚登録日 : 2012年8月26日

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