リキシャ・ガ-ル (鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち)

  • 鈴木出版 (2009年10月1日発売)
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本棚登録 : 124
感想 : 27
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たまたま図書館の返却棚でリキシャというタイトルを見てびっくり、手に取った児童書。バングラデシュのお話が児童書にあるなんて、と嬉しくなって即、借りてみた。

バングラデシュの農村で暮らす少女・ナイマは、女の子であるがゆえにリキシャワラのお父さんの手伝いができず、もどかしい気持ちでお母さんの手伝いをする日々を送っているが、ある日、お父さんの大事な新品のリキシャを壊してしまう。そして修理に必要なお金を稼ぐために男の子に変装して、リキシャ修理屋を訪れ、店主が女性であることに驚く。店主はナイマにリキシャの絵の修復を手伝わせてくれ、店を始めるまでの苦労や費用の話を聞かせてくれる。ナイマの絵の出来映えに満足した店主はナイマを雇ってくれることになり、ナイマはようやく女の子であることに自信を持ち、明日からの自分の仕事に希望を見出す、という話。

バングラデシュの農村の貧困、男性優位社会、学校に行けない子どもたちなど厳しい現実をストーリーの背景としながらも、バングラデシュの農村の美しさ、女性の強さ、マイクロクレジットの導入により変わりつつあるバングラデシュの地方経済・女性の社会進出が描かれていて、未来に希望があることが伝わってくる。
また、ナイマがお金を稼いで叶えたい夢が家族に好きな物を買ってあげたいというところで、バングラデシュの人は家族をとても大切にする国民だと日本の子どもたちに知ってもらえたら嬉しい。

農村の美しい風景と、色鮮やかなリキシャを思い浮かべながら読んだ。
またバングラデシュに行きたくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: バングラデシュ
感想投稿日 : 2020年7月28日
読了日 : 2020年7月15日
本棚登録日 : 2020年7月13日

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