あるお母さん猫が生んだ猫たち4匹には、なぜか、羽が生えていた。お母さんが再婚するのに伴い子どもたちは独立。羽を使って空を飛び、自分たちの居場所を見つける旅に出る――。
作者のル・グウィンは昨年末(2017年12月)に亡くなり、新聞などでよく取り上げられている。そのなかで本書を知った。彼女がフェミニストであったことも知り、羽の生えた猫は、社会の中で何かしらの生きづらさを抱えるマイノリティの暗喩であり、彼らへの応援歌のようにも感じられた。
猫の絵が実に素晴らしい。うっとりする。いつまでも眺めていたい。
それにしても、猫好き村上春樹好きのわたしとしたことが、この本を手に取ったことがなかったとは……。1993年、25年も前に出版された本。
「あとがき」に「ある親切な読者」がこの本の存在を教えてくれた、とあるが、それは生物学者の福岡伸一さんなのだそうで! 朝日に連載中のコラムで福岡さんが書いておられた。NYの書店でこの絵本を知り、猫好きの村上春樹さんに知らせたく、出版社を通じて連絡を取ったのだという。
ル・グウィンといえば、の代表作「ゲド戦記」は幼いころから存在は知っているが手が伸びなかった作品。これを機に読んでみようかな。
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- 感想投稿日 : 2018年2月21日
- 本棚登録日 : 2018年2月20日
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