USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

著者 :
  • KADOKAWA (2016年4月23日発売)
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・「マーケター」の最初にすべき最重要な役割は「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること。それが会社を勝たせる軍師であるマーケターの最初にして最重要な仕事である。
・会社側のどんな事情もどんな善意も、消費者価値につながらないのであれば(消費者に伝わらないのであれば)、一切意味がない。
・マーケターは消費者理解の専門家。
・マーケティングの真髄は消費者理解。
・作ったものを売る会社から、売れるものを作る会社に変わる
・マーケティング優勢で技術力を活用する会社
・「商品を売る」のは営業の仕事、「商品を売れるようにする」のがマーケティングの仕事。
・放っておいても売れる=選ばれる必然。
・消費者と商品の接点を制することで売れるようにする
1) 消費者の頭の中を制する
Awareness (認知率)
Brand Equity (ブランド エクイティ)
- ブランドエクイティを築くための一連の活動が“ブランディング”
- 消費者に選ばれる強い理由になっているもの=Strategic Brand Equity 戦略的ブランドエクイティ
2) 店頭(買う場所)を制する
- Distribution 配荷率 (消費者に強く求められる必然→流通に選ばれる必然)
- Display
- Trial (Sample campaign, first purchase)
- Repeat
- Pricing
- Purchase frequency
3) 商品の使用体験を制する

・Purchase Flow (認知→購入→再購入)
売上個数=消費者の数×認知率×配荷率×購入率
売上金額=売上個数×平均価格= 消費者の数×認知率×配荷率×購入率×平均価格

・戦略とは、目的を達成するために資源(リソース)を配分する「選択」のこと。
経営資源(リソース): カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産(代表的な知財は、ブランド)の6大経営資源
※この中でヒトだけがこの6つの経営資源の全てを増減させたり遣いこなしたりすることができる

目的;objective
・目的は1)ぎりぎり届く高さで、2)人が理解できるシンプルさ、3)魅力的かどうか(例:ハリーポッターという宣言をした時の社員の目の変わりよう)

戦略: strategy - what?
・「人々は4分の1インチのドリルを欲しいのではない。人々が欲しいのは4分の1インチの穴である」
消費者が欲しいのはドリルではなくドリルで得られる穴である。ハーバードのレヴィット博士。
(消費者はUSJのアトラクションではなく、体験した時の感情。感情がwhat. モノはhow)
・what = 戦略的ブランドエクイティ
(例:TDLの戦略的ブランドエクイティは「幸福感」、ミッキーに会えることや演出はhow)

目標: target - who
・ターゲット一人当たりのマーケティング予算が十分となるようにターゲットを選ぶ必要がある。
・戦略ターゲット
=メディアターゲット。小さくなりすぎないことに注意。
・コアターゲット(戦略ターゲットの中)
さらにマーケティング予算を集中投資する対象。
サンプリング、ダイレクトメール、特典プロモーションなど。
コアターゲットの内側と外側を明確に。who?
①ペネトレーション:
自社ブランドの世帯浸透率を増やせるグループはいないか?空白地を見つける
②ロイヤルティ:
競合ブランドをブロックし、連続でそのブランドを消費させるように仕向ける
③コンサンプション
1回当たりの消費量を増やせるグループはいないか?
(例:味の素の容器の穴を増やす。USJで日帰りを宿泊客にする)
④システム
既存使用者の中で使用商品のSKU数を増やす
(化粧品で有効)
⑤パーチェスサイクル
購入サイクルを短くできるグループはいないか
⑥ブランド・スイッチ
競合ブランド使用者の中にブランド変更の高いグループはないか

戦術: how?
・what をwhoに届けるための仕掛け。execution.
・消費者が目に触れるものほとんど全てがhow:
商品パッケージ、プロダクト、CM、Website、価格戦術、流通戦術
▪️4P:
□Product 製品をどうやって作るか
目的: 顧客に提供するものを決める
アプローチ:
商品のスペックを決める
(形状・形体、ネーミング、包装(パッケイジング)、セット/パッケージ販売)
□Price 価格をどうやって作るか
目的: ポジションに適した価格を決める
アプローチ: 価格戦略の決定
(需要に応じた設定、コストに応じた設定、競合他社との関係、価格弾性)
□Place 流通をどう設定していくか
目的: 効率的・効果的な顧客のアクセス方法を決める
アプローチ: 流通経路の設計
(卸売業&小売業、販売会社&小売業、小売店のみ、ダイレクトマーケティング)
自社製品が消費者に届くまでの流通経路を設計するのはマーケターの重要な仕事。
□Promotion どうやって顧客に販売促進をするのか
目的: 効率的・効果的な顧客への情報提供方法を決める
アプローチ:
ターゲット設定
コミュニケーション目標設定
プロモーション手段の選定
(広告、販売促進、人的販売、パブリシティ)
深くwhoを理解した消費者の視点からhowを判断すれば良い。(ヘアケアなら金髪にしたり…、USJではゲームプレイに時間をつぎ込む)

▪️5C:
□Company 自社の理解
・会社全体の戦略を理解する。
・自社の使いうる経営資源をできる限りたくさん把握する
・自社の能力や性格としての特徴(強み・弱み)を把握する
□Consumer 消費者の理解
・量的に消費者を理解する
(年齢、性別、収入、人口、対象商品の世帯浸透率、認知率、購入頻度、消費者の認識を理解)
・質的に消費者を理解する
(ビジネスの文脈を超えて消費者心理を人として包括的に理解できているか。根源的な深い消費者理解=消費者インサイト)
→消費者の認識を大きく変えるインサイト
=Mind Opening Insight
(例:除菌できる選択洗剤、部屋干しは菌が繁殖しているからというインサイト)
→消費者の感情を大きく変えるインサイト
=Heart Opening insight
(例:消費者インサイトを突いたコミュニケーション。娘とのクリスマスは後数回しかない貴重なクリスマス。)
□Customer 流通など中間顧客の理解
□Competitor 競合他社の理解
・広義においての競合理解までやっておかなければならない。自ブランドが消費者に提供している価値が何なのか?を正しく理解していれば着眼すべき競合の姿は明らかになっていきます。
(USJの狭義の競合はTDL、その他遊園地。
広義はスマホ、その他エンターテイメントなど)
□Community ビジネスを取り巻く地域社会の理解
・法律、世論、税率、景気、為替など。
あらかじめcommunity要素を明確にしておき、その動静をモニターして変化の兆しに細心の注意を払う

・ポジショニング
=消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付け
(消費者の頭の中で購入の強い理由となるブランドエクイティに最も近い場所にポジショニングしているブランドが有利になる)
→車なら安全信頼、掃除機なら吸引力。自ブランドがそのブランドエクイティを単独もしくは有利にポジショニングすれば消費者に選ばれる確率が増す。
Whoの洞察を深めて消費者がそのカテゴリーを買っている根源的な理由を深く理解すればするほど、その軸は見えてくる。
多くの場合、そのカテゴリーNo.1ブランドがすでに単独で所有しているか有利に所持している場合が多い。
・自分が動かなくても相手が動くことで自分のブランドエクイティが動かされてしまうことが起こる。
逆に自分のポジショニングを動かすことによって、全く動かない相手を消費者の頭の中で動かしてしまうこともできる。

・ブランド=lovemark

・好きなことを列挙してどれに当てはまるかチェック
a) リーダーシップに関するもの
b) 思考力に関するもの
c) 対人関係構築力、コミュニケーションに関するもの
d) 革新性や創造性に関するもの
e) 行動力や任務遂行力に関するもの
f)各職能の専門スキルに関するもの

・年→半期→四半期→月→週→その日
それぞれ3つづつ達成することを戦略的に選ぶ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年3月10日
読了日 : 2018年3月12日
本棚登録日 : 2017年9月30日

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