装丁がとても素敵な本。
夜を思わせる青、黒、銀色があちらこちらに配されています。
生命の物語。
伝説の生き物サルヴィを狩って人の住む地を築いた人々は、何年かに一度、蘇るサルヴィを狩った者を王に頂いて平穏な暮らしを送っている。
特殊な生い立ちから、サルヴィとの不思議な繋がりを持つ王子ディアスが、幾度もサルヴィを犠牲にして生きる人々のありように疑問を持ち、立ち向かっていく。
王位から遠く、追放された王子ディアスが生命のことわりを求める旅路の王者の歩みと、都でお嬢様育ちをした彼の幼馴染の少女アンローサが、北の民と共に暮らす中で、ファンズを解体して食糧にしたり骨や毛皮から生活用品を仕立てる中で、生命の受け渡しを学んで成長していく過程が交互に続いてくところがお気に入りです。
オーリエラントよりもページ数不足なせいか、物語が深まりきらずに終わるような感じで、描写がもったりしているわりには話があっという間に進んでしまったり、アンバランスな感じがもったいなかった。
白銀の雪原で命のことわりに沿って暮らす銀色の鹿と、王の血の中に受け継がれる覇王の赤い竜の対比は、とても美しいものだと思うのですが……。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー:異世界
- 感想投稿日 : 2014年10月12日
- 読了日 : 2014年10月12日
- 本棚登録日 : 2014年10月12日
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