「雲外蒼天」の最終巻。この日を、澪と一緒に信じ続けてきました。
雇われ料理人としての身分から、自分の才覚で自分の料理を商う商売人の道を進み始めた澪。身近な人々のための料理と、幼なじみを救う大金を賄うための「鼈甲珠」の二足の草鞋で進むなか、事態が急展開します。
垂れ込める暗雲の越えて、果てに明るい蒼天を望めるか。残りページ数を気にしながら、一気に読んでしまいました。
真摯に料理に向き合ってきた澪、途方もない夢に挑む彼女のために、いまこそすべてが報われます。結末の鮮やかさ、粋な計らいに、ここまで読んできて本当に良かったと思いました。
それにしても最後までかっこいいのが清右衛門先生。「大阪が気に入らぬ」と怒る姿が、いつも素直に澪の料理を誉めない清右衛門らしくて笑ってしまいながらも、彼の悔しさに共感して頷いてしまいました。シリーズを通して澪に助言を与えてきた、物語一番の影の立役者。その最後の助言の結末は、ぜひ本の最後の最後の一ページで・・・。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ヒストリー:日本史
- 感想投稿日 : 2017年2月11日
- 読了日 : 2017年2月10日
- 本棚登録日 : 2017年2月11日
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