<月舟町シリーズ>3作目。図書館の予約で借りて来てしまったため、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』より先に読むことに。
映画館で飼われている犬ジャンゴが語る月舟町の人々の話。寡黙な映画館の直さん、べらんめぇの古本屋の親方がいい感じ。ここに書かれているような昔ながらの映画館がなくなってしまったのが心底悲しい。ところで、犬の話には理屈抜きに弱い。しかもジャンゴみたいな犬なら尚更。涙を流す話でもないのに、ジャンゴの一挙手一投足に今は亡き愛犬の姿を思い出しては涙が浮かぶ。ひたむきに周囲の人間の気持ちを考えているジャンゴ、犬という生き物は実際素晴らしい。人間の唯一の友と言われる犬。人間は裏切るが、犬はけして裏切らない。そんなことを思いつつ、ほとんど泣きそうになりながら読んだ。愛おしくてたまらない本。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
吉田篤弘
- 感想投稿日 : 2015年8月26日
- 読了日 : 2015年8月30日
- 本棚登録日 : 2015年8月26日
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