キリヒトが自らの素性を明かさせられるタイミングが絶妙。世界設定にも、しばしば挟まれる言語や風物への薀蓄にも慣れ、登場人物同士の関係性が心地良く感じられるようになった段での告白だから、余計に鮮烈な印象を与えられる。これがもっと早い段階であったら、読み手の受け止める印象も軽いものになってしまっていたかもしれない。
第二巻の最終行、ここまで、切なくなるような思いさえ淡々と書き綴られてきたからこそ、とても単純な畳語法が震えるように息づいている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年8月25日
- 読了日 : 2017年8月25日
- 本棚登録日 : 2017年8月25日
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