レディ・ジョーカー〈上〉

著者 :
  • 毎日新聞出版 (1997年12月1日発売)
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本棚登録 : 1656
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いきなり法文から入り、太平洋戦争後に書かれた男の手紙から始まる。旧仮名遣い、旧字。
あとから振り返れば、確かに冒頭に持ってくるのが理解が早いなとは思ったけれど、いきなり、事件なのか何なのかもわからない、朴訥な男のつぶやきめいた旧字の手紙を数ページに渡って……
この作者、読者への導入の気遣いというものが一切無く、ついてこられない奴はいらない、って切り捨てるタイプだな。と思った。

しかも合田は後半まで出てこず……
誘拐のあたりから疾走感があってよかったけれど、むしろ合田は刑事が出てくると鬱屈しそうだから、今はいらないって思うほどに誘拐のあたりはおもしろかったけれど、とっつきにくかった。
しかしこの誘拐あたりからの疾走感は、『照柿』では得られなかった感覚。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2013年11月3日
読了日 : 2013年11月3日
本棚登録日 : 2013年11月3日

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