たまにあることがちゃんと書かれている。ほんとうにすごい。読んでいるときにしか読んでいるときの感覚に触れられないのもいいな。二度目に読むものもおおかったが、ちゃんと一度目だった。むしろ一度目のような感覚を失ってしまったら、この小説は読めないのかもしれない。
解説より。
「かつて私がかなり出来の良い短篇を書いた時、最初私の頭の中には出だしの一行しか浮かばなかった。何日間かその一行を頭の中でこねくり回した。『電話のベルが鳴った時、彼はちょうど電気掃除機をかけているところだった』という文章である。私はこの一行の中にはストーリーがつまっていて、外に向けて語られたがっている、と思った。
レイモンド・カーヴァーの文章と物語のプロセスを体験しているときの感覚、こちらに流れこんでくるもの、そのときの自分は好きだ。影響されたいし、書くものもそうしたくなるのだけれど、どうなんだろう、影響されやすいだけなのかもという懸念もありつつ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年11月21日
- 読了日 : 2021年11月21日
- 本棚登録日 : 2021年11月21日
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