ずる―嘘とごまかしの行動経済学

  • 早川書房 (2012年12月7日発売)
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本棚登録 : 751
感想 : 78
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「予想どおりに不合理」のダン・アリエリー教授のノンフィクション。
人はどのようなときにズルをしやすくなるのか、どのようなときにズルをしにくくなるのかについて、ユニークな社会科学実験をとおして仮説を展開。
引用されている実験が本当におもしろい。よくもまあ次々とこんな実験を思いつくものだ。社会科学者は創造力が必要な職業なのだと思う。
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マイク・アダムスは数年にわたってデータを収集し、祖母が亡くなる確率が、中間試験の前は10倍、期末試験の前には19倍にも跳ねあがることを示した。
おまけに、成績が芳しくない学生の祖母は、さらに高い危険にさらされていた。
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疲れと不正についての論を展開し、この段落を「ともあれ、世の中の祖母たちに告ぐ。期末試験のシーズンには、お体を大切に。」で結ぶユーモアがこの本全体をあらわしていると思う。おもしろいことは真顔で言うほうがおもしろいのだ。

メモ
つじつまあわせ係数(fudge factor)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 持っていない
感想投稿日 : 2021年1月21日
読了日 : 2021年1月21日
本棚登録日 : 2020年12月25日

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