「予想どおりに不合理」のダン・アリエリー教授のノンフィクション。
人はどのようなときにズルをしやすくなるのか、どのようなときにズルをしにくくなるのかについて、ユニークな社会科学実験をとおして仮説を展開。
引用されている実験が本当におもしろい。よくもまあ次々とこんな実験を思いつくものだ。社会科学者は創造力が必要な職業なのだと思う。
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マイク・アダムスは数年にわたってデータを収集し、祖母が亡くなる確率が、中間試験の前は10倍、期末試験の前には19倍にも跳ねあがることを示した。
おまけに、成績が芳しくない学生の祖母は、さらに高い危険にさらされていた。
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疲れと不正についての論を展開し、この段落を「ともあれ、世の中の祖母たちに告ぐ。期末試験のシーズンには、お体を大切に。」で結ぶユーモアがこの本全体をあらわしていると思う。おもしろいことは真顔で言うほうがおもしろいのだ。
メモ
つじつまあわせ係数(fudge factor)
読書状況:読み終わった
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持っていない
- 感想投稿日 : 2021年1月21日
- 読了日 : 2021年1月21日
- 本棚登録日 : 2020年12月25日
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