残業税 (光文社文庫 こ 40-1)

著者 :
  • 光文社 (2017年2月9日発売)
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【収録作品】マルザの日常/脱税のトライアングル/誇り高き復讐者/メテオの衝撃/逆襲のクリスマス・イブ

 残業税という言葉のインパクトに惹かれて読む。
 それがなくても、ブラック企業のやり甲斐搾取の話は普通に通じる。
 矢島の誠実に仕事をする姿勢は好もしい。だからこそ、「けじめをつける」とかで、離婚しながらも矢島を応援する元妻の姿勢にはもやもやする。そこまで夫を理解しているのなら、親より夫だろう、と思うのだが。

 だいたい、身内を摘発したことを「情がない」という人たちは、身内を庇えば「依怙贔屓」だと言うだろう。
 あれを摘発してこれを摘発しないというのは不公平なわけで、その線引きをするのが、法治主義においては「法律」、というだけなのに。
 恣意的に「お友だち」ならOKとする社会は嫌だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2022年5月27日
読了日 : 2022年5月27日
本棚登録日 : 2022年5月27日

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