やはり東京はたくさんの村落の集合としての都市であり、鉄道路線がそのカテゴリーを作ってる。地方なら例えば郡に相当するような。中央線沿線と西武新宿線沿線では、大した距離はなくても違うものに対する帰属意識がはっきりと出ている。 堤が反ソ親米路線を地で行ったとはいえ、沿線の開発に対して力を入れなかったがゆえ、西武鉄道の沿線は公団住宅の森となり、それが国家が描いた新中間階級のアメリカ的マイホームとなるかと思えば、空間的な理由でソ連的都市が生まれ、共産主義の温床となる。 団地という空間、西武鉄道沿線という空間が特有の政治的状況を生み出し、氏の唱える空間政治学のいい例となっている。 空間が何が別の次元に何らかの写像ももたらす。または何らかの次元の写像としてある空間が生まれてくる。そういう視点、手法論としてで建築の分野でも活かせるかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年11月10日
- 読了日 : 2013年11月10日
- 本棚登録日 : 2013年5月10日
みんなの感想をみる